みちのくのイチロー

呼び名シリーズ第2弾!

橋本到(はしもと いたる)
仙台育英学園高校出身、2008年度ドラフト4位入団
今シーズン3年目を迎える左打ち(右投げ)の外野手(20歳)です。


入団時は、172センチ、67キロの小柄な身体
以前のジャイアンツだったら指名していなかった選手かもしれないと言われましたが
この頃から球団も
「身体は大きくなくても、実績がなくても何か一つ秀でた要素を持っている選手」を育てたいと
隠れた原石を探していたようで、育成入団の松本哲也選手やドラ4橋本選手はその方針の下、指名されました。


実は、この橋本到・・親しみを込めてここからは「イタル」と呼びます。
イタルを初めて見たのは入団1年目のイースタン中継
センターの守備に就いていた時、2死2塁の場面
センター前ヒット、ダッシュから素早いバックホーム
ワンバウンドストライク返球で悠々アウトでした!
前で守っていたわけではなく定位置、しかも2アウトですからセカンドランナーは打った瞬間のスタートです。


このプレーを見た時、惚れましたね〜
顔はね、全然ハンサム系じゃないんですよ〜(関係ないけど)
初めて由伸の守備を見たとき以来かな、G選手の守備で感動したのは。
その後も時間があれば見ていましたが、とにかく守備は一級品です。
余裕の犠牲フライかと思われるような打球でも、あっさり捕殺!
出場試合を数多く見たわけではないので、贔屓目の部分もややあるかもしれませんが
外野手としてなくてはならない打球への判断、打球勘も優れたものを持っているように感じています。


中堅手というのは、外野3人の中で最も本塁捕殺の取りにくいポジションです。
まずホームベースまでの距離、そしてバックホームを妨げるマウンドの高さですよね。
このマウンド越えがレフトやライトからセンターに回った場合、難しいと言われます。
高くなったマウンドを越えながらも低く制球することが出来るのが、橋本到です。
センターとして固定され、1年目のイースタンリーグ
リーグトップの、202刺殺
センターは守備機会が多いですから、レギュラーとしては当然の部分もありますが
やはり俊足を生かした広い守備範囲あってこその数字です。
捕殺数の17個、(これも2位の10個を大きく引き離すダントツの1位でした。)
中継なしのダイレクト捕殺数が知りたかったのですが、成績に記載されていないため分かりませんでした。
しかしかなりの数、ダイレクトに捕殺したプレーもあったと想像します。
常時ライト・レフトを守っている選手にも負けなかった素晴らしい数字だと思います。


遠投は公式には120メートル。
今現在のGでNO.1の外野手、亀井選手でさえ115メートルです。
数年前、私が日本で一番の外野手だと思う中日・英智選手がテレビ番組で125メートルぐらい投げていた記憶がありますが
遠投120メートルというのは、とてつもない強肩であることは間違いないですね。
しかもイタルの場合、ただ単に遠くに投げられるというだけではなくコントロールも抜群なんです。
いくら肩が良くても低く制球された送球が出来なければ、外野手としては能力不足ですよね。
たとえば長野選手はその点をもっと練習して地肩の強さを生かして欲しいです。


1年目の打撃成績(1軍出場はなし)
106試合出場 96安打 打率.238  本塁打3 打点28 2塁打20 3塁打7 犠飛4 盗塁7 得点68 

守備での圧倒的な実力に比べ、やはり寂しい数字です。
課題は打撃ですね、でも将来性は充分だと思っています。
俊足巧打の左打者というと、よく見られるのがいわゆる「走り打ち」ですが
イタルは結構しっかり打ってから走るタイプ
入団1年目は右足をややオープン気味に下げたバッティングフォームでしたが
現在は引きが少なくなっているように感じます。
例に出して申し訳ないのですが、鈴木選手や松本選手に感じる「非力さ」はなく
当たればホームランにも出来る力はあります。
この年、3本のHRに加えて3塁打も7本あります。
3塁打は走力が必要なことはもちろんですが、
左中間・右中間への大きな当たり、あるいは1塁線・3塁線を破るような打球を打つことも条件ですよね。
昨シーズン、犠牲フライが打てないと一軍首脳陣が嘆いたものですが、それも4本打っています。
長打力も、なくはないイタルです。



2010年、2年目
足の故障で長期欠場があり、88試合の出場にとどまりました。
107安打 打率.292  本塁打9 打点49 2塁打19 3塁打9 犠飛4 盗塁5 得点53

試合数が20試合近く減っているのに、本塁打は6本も増えて9本、打点も伸ばしています。
何より打率がもう少しで3割というところまで行ったことが嬉しいです。

昨年は、念願の1軍デビューも果たしました。
4月の中日戦に2試合出場
両試合とも9回からの守備固めでしたが、4月28日にはプロ初打席にも立ちました。
結果は・・・
なんと〜三振・振り逃げ
プロ入り初打席で“振り逃げ”を記録した選手って、過去にいたのでしょうか?
1試合に1個もないはずの振り逃げ、それを初打席で・・これはモッテルというべきか!?
ちなみにイースタンでの初ヒットは“セーフティバント”なんです。
これまた微妙。
プロ入り初ヒットは是非ともクリーンヒットで決めてもらいたいですね。


イタルの性格
物怖じしない明るい性格で、結構大口たたきます。
でも、カワイイから憎めません。
甲子園出場経験もあり、強豪校・仙台育英で主将も務めています。
とぼけているようでも、しっかりした人間性がなければキャプテンにはなれないはずです。
実力だけではない、みんなを納得させるものがあるのが主将ですよね。


今年は本人も期するものがあるらしく、自主トレから気合が入っているようです。
体重も入団時よりも6キロ増えて73キロになり、少しずつ身体も出来てきた感じです。

現状のジャイアンツで外野手としてレギュラーを掴みとるのは至難の業に思えますが
まずは課題の打撃力を上げ、小技や盗塁の技術も磨いてしっかりとした結果を残すこと。
そして、チャンスが来たときには逃さずものにすること。

文句なしの守備力を持っているのです。
必ず必要とされる時がやって来ると思っています。
今季、背番号も94番から65番へ〜ずいぶん軽くなりました。
もっともっといい番号がもらえるような選手になってもらいたいです。


頑張れ、イタル!!