守備力

『Ball Parkに住むウサギ』で書いた2012年2月28日の記事です。
 

『守備力』
チームが持っている守備力というのは
そのゲームを左右するほど重要であると常々思っています。


例えば
昨年6月の交流戦、東京ドームで行われたロッテ戦


マリーンズのセンター岡田幸文選手のファインプレー3連発!

2回、5回、8回、
左中間、左中間、右中間


どれもがただのファインプレーではなく
「超」の字が付くほどの見事なファインプレーでしたね。


しかも相手の得点、追加点を阻み
それによって最終回の味方の逆転本塁打を呼び込んだとも言える
まさに勝利を掴み捕った値千金の3連続美技でした。


どちらのチームを応援しているとか、誰のファンだとか
そんなことを思わず忘れさせてしまうような素晴らしい守備力に
野球ファンとして拍手を送りたくなったことを思い出します。



よく言われるセンターラインの重要度
ジャイアンツではどうでしょうか。


キャッチャー阿部、ショート坂本
代わりがいないことも含め不動の二人ですね。


セカンド藤村
去年の盗塁王、守備でも堅実なところを見せ一躍ブレイクしました。
「課題は打撃だけ」だったはずだけど
ここにきて、大丈夫だと思われていた守備力に疑問符がつくプレーが目立ちます。


やや弱いと感じる球際への執念
送球の不確実さなども物足りなく映ります。

仁志選手が去って以来
本当の意味でのレギュラーセカンドが不在のジャイアン

ポジショニングなど経験値がものを言う二塁手の場合
しっかりと経験や実績を重ね固定したいポジションですね。


藤村大介がその座を掴んだまま離さないのか
守備力では大きく上回る寺内崇幸が奪うのか
ロッテから移籍の伏兵・高口隆行が守るのか注目してみたいところ。



そして低反発統一球導入、少ない得点を争うようになったプロ野球界ですから
外野手の守備力というものが大きく問われるのは昨年同様です。


ご承知のように私は高橋由伸の大ファンです。
ですがここはそのことに関係なく公平な意見として書いてみます。


まず首位打者長野久義、外せませんね。
ライト固定と言われていますが、臨機応変にセンターもあるとみてます。


新外国人選手のジョン・ボウカー
キャンプから紅白戦、オープン戦序盤の打撃力は文句なしですね。
原監督以下首脳陣の評価、他球団スコアラーの反応も高く
久々の外国人レギュラー当確かと言われています。
全くその通りですね。
このまま3月も打ち続けていけば、開幕スタメンにボウカーの名前があるのは間違いないでしょう。


ボウカーの守備力
これがまだはっきり言ってよく分かりません。
ボウカーが守っている時にレフトへの打球が極端に少ないのです。
あまり難しい当りも飛んでいません。
しかし、想像したよりは上手いのではないかという印象を持っています。

まず、動きはなかなか俊敏です。
足はきっと遅くないと思われます。
問題は肩の強さですが、やや弱いと感じています。
しかし、あのラミレス選手の守備に目をつぶってきたこれまでを考えれば
充分な守備力はあると思います。
外野三つの中では最も守りやすいレフトですから、固定して慣れればそこそここなせるのではないでしょうか。
3月14日追記
昨日の試合では少しもたつく場面がありました。
そしてやはり肩は弱く、レフト前のシングルヒットでセカンドランナーに悠々とホームインを許していましたね。
本当の守備力は開幕してからでないと分からないけど、疑問符は付きます。


由伸の守備力
言うまでもありませんね。
レフト、問題ありません。
打つのみです!


問題はセンター
大田泰示、松本哲也の争いという図式です。

2008年、坂本勇人がブレイクしたシーズン
二岡智宏を押しのけて原監督が起用し続け育てることが出来たのは
守備力があったからですね。
とかく失策の多さが話題となってしまう勇人ですが
もともと守備のセンスは悪くないし、守備範囲の広さ故のエラーという場面も多くありました。


チームが強い時、打てなくても我慢して若手を使って育てる


これはそのチームの未来を考えた時には本当に必要なことですね。
2008年の勇人は期待に応えて飛躍してくれました。


今年の大田はどうでしょう?
打つ打たないはこれからだし
持って生まれた遠くに飛ばす才能、誰にも負けない長打力という魅力があります。
将来に希望を持って起用していくことにも反対ではありません。


一方、守備力は・・
ポジションを求めて外野手に転向した大田
ボウカーと違って、センター大田の守備機会は数多く見ることができました。
厳しい言い方になりますが
とても大事なセンターラインを任せられる選手には見えませんでした。
内野手から外野手になって実質1年目ということを割り引いても
1歩目のスタートの遅さ、打球判断の悪さは致命的です。


足が速く強肩、身体能力には優れていても
経験浅く、外野手としての未熟さは隠せません。


上手い外野手、特に捕手のサインを見ることが出来るセンターの場合
一球一球、味方投手の球種と打者の打つタイミングを確認しながら
打球へ気持ち半歩早く踏み出せるかどうかが捕れるか捕れないかの分かれ目ですよね。


現状ジャイアンツで一番のセンターは
鈴木尚広だと私は思っています。
ファインプレーをファインプレーに見せないでアウトにする能力は
まだまだ松本哲也よりは上と感じます。


だけど、やはり尚広に足りないのは打撃力なんですね。
あの落合監督が誰よりもその能力を高く評価していたドラゴンズ・英智選手が
あれほどの守備力・走力を持ちながらレギュラーになれないのは、打てないから。


結論
センターは守備力、今シーズン好調と見える打撃を考えれば
松本哲也選手がそこにいるべき選手だと思います。



サード・村田
好き嫌いは別として・・
怪我や故障がない限りレギュラー固定ですね。


ファースト・小笠原道大
小笠原道大は不動のレギュラーでしょうか?
今年はまだ決め付けるのは時期尚早ですね。


これまでのガッツのチームへの貢献度は素晴らしかったし
昨年の悔しさを晴らす上でも本人の意欲も並々ならぬものがあるに違いありません。
しかし、ファーストを守れる選手は複数います。


原監督の一人2ポジションという号令の下、多くの選手が一塁手としての練習を積んでいます。


谷佳知
地味で目立ちませんが今キャンプ打撃絶好調です。
身体の切れも悪くありません。


亀井義行
優秀な外野手であるにも拘らず、さまざまなポジションを回され苦労しています。
しかし外野の三つ、ファースト、サード、多くの場所を守れるのも確かです。
亀井義行のバッティングが取り戻せれば充分にレギュラー候補だと思います。



元西武、トライアウトから入団の石井義人
左代打の切り札としての起用が見込まれますがファーストも充分守れますね。
同じく打撃好調です。(3月14日現在、腰痛のため調整中)


高橋由伸
ファースト守れます。
長野・センターとなった場合のライトも守れます。
ボウカーに勝ってレフト、もちろんあり得ます。
打てなければ、代打起用かもしれません。


しかしそれは由伸だけではなくどの選手にも言えること。
センターライン以外の両側を守る選手に求められるのは
何と言っても「打つ選手である」ことです。


多くのファースト候補者の中での筆頭は当然ながら小笠原道大
一塁守備力に於いては抜けた存在でもあります。
でも他の選手同様、ガッツと言えどもまず打つことが求められるはずですね。
ここにも注目したいです。



最後にこのブログを読むはずがないけど
原監督に一言

大田泰示を使いたいなら、「一塁手」として育てるべし!

サード、レフト、センター
どこも守備者としてのセンスを感じることが出来ないけど
唯一、ファーストを守った時には上手くなれるかも、と思いました。
的の大きさが必要なポジションなので長身であることが生かせるし
左右の動きも悪くなかったです。


将来、阿部慎之助がファーストに回ると私は予想しているので
そこがかぶってしまうけど
一塁手大田泰示」なら未来があるような気がしています。


今日、宮崎・沖縄と一ヶ月間続いたキャンプを打ち上げ
いよいよ週末からは開幕レギュラー目指して激しい戦いが始まります。
1軍ベンチ枠に残るのは誰なのか
どの選手がどのポジションで
栄光の開幕スターティングメンバーとしてコールされるのか
期待を持って待ちたいと思います。

2月28日