山口鉄也、苦悩から未来へ

今シーズン、原監督の最大の誤算は野手では亀井義行
投手では山口鉄也の先発転向構想実らず・・ではなかったかと思います。

山口鉄也 2010年 成績
73試合登板 投球回88.2
8勝3敗 5セーブ
防御率 3.045(自責点30) 奪三振85

被安打180 被本塁打10  与四球16 与死球8(ちょっと多いですね、)
暴投6 ボーク0(ボークがない!)


原監督は、今シーズンの山口投手に先発投手としての立ち位置を与えようとしていました。
「この2年間、肉体的にも精神的にも非常に厳しい立場を強いてきた。
幸いにも今は肩、ひじに故障がない、元気なうちにある程度自分のペースで調整できる立場にしようと思った。
壊れてからでは遅い、何より15勝以上できる素質があり巨人のエースを競える素材、
先発にチャレンジさせたいと決断した。」


この、監督の考えの下
決して器用とはいえない山口投手は戸惑いの中、先発転向に向け懸命な努力を重ねました。

もちろん野球選手であるならば、プロの投手であるならば
中継ぎよりも先発、という憧れは誰もが抱くもの。
しかもチームを率いる監督が
自分の投手生命を気遣い、さらには素質を認めてくれ
「未来のジャイアンツのエースに!」とまで言ってくれている。



育成から這い上がり、中継ぎ陣の中心投手となり新人王のタイトルも獲得
そして今度は、先発として期待されようとしています。
嬉しくないはずがありません。
何とか監督の期待にも応えたかったことでしょう。


しかし、キャンプ、オープン戦と結果はついてきませんでした。
少ない球数で力いっぱい投げてきたこれまでと違い、先発でのペース配分がつかめない・・


苦悩の中での開幕
先発初マウンドは、4月3日、広島戦(マツダスタジアム
3回途中で4失点、惨めな降板となりました。

けれども粘り強く頑張ってきた成果が、この頃から徐々に現れ始めていたような気がします。


2度目のチャンスは、4月10日、中日戦(東京ドーム)
序盤は四死球も多く、悪い流れを引きずったかのような内容でしたが
5回あたりからリズムをつかみ始め、結局7回2/3を3失点
越智、小林両投手の助けもあり
見事に先発投手としての初勝利を挙げました!

お立ち台で
「今日の白星は中継ぎの時より全然嬉しいです、この1勝を励みにこれからも頑張りたいと思います。」
<シャイなぐっさん>が本当に嬉しそうにしていたのが印象的でしたね。



でも・・・
この後、山口鉄也投手が再び先発のマウンドに登ることはありませんでした。


実は
初勝利の前日、原監督から「(故障離脱のクルーン投手が戻るまで)リリーフに回ってもらう」
と、通告を受けていたのです。

チームの勝利を考えれば、それもやむ得ないことなのかもしれません。
でも、不器用なぐっさんが必死に努力して
中継ぎ仕様の自分を改造し、やっと先発投手として先が見えてきたところ
初先発では実らなかったけど、次こそはと意気込んでいたことは想像に難くありません。

中継ぎ再転向を言われた時の気持ち・・
どんなだったでしょうね。
クルーンが治って戻ってくるまで、しばらくの間だ」と気持ちを切り替えたでしょうか?
ぐっさん、そんなに器用ではないですよね。
揺れ動く気持ちを抱えながらの2度目の先発マウンド
そんな中での先発初勝利だったのです。



喜びに浸る間もなく
初勝利を挙げた翌日から再びリリーフ投手仕様にするべく、
調整法を変え、練習法も変えてチームの勝利のためゲームに臨みました。

ですが結果は、やはり満足のいくものではなく
チームの力にもなれない日々、
さぞ、悔しかったと思います。
監督やチームに対する不満じゃない、自分自身に対して悔しかっただろうと想像します。

その後、夏場に先発投手陣が崩壊
チームも失速、結局リーグ4連覇はなりませんでした。


しかし、山口鉄也
最後の最後に今シーズン最高の輝きを見せました。

10月7日の広島戦(東京ドーム)からチームのクローザーを任され
以来、CSでの甲子園、ナゴヤ
すべての勝ちゲームを立派に締めくくりました。

特に、10月22日ナゴヤでの第3戦、9回頭から登板
3番森野選手
鋭く外角へ逃げるスライダーで気持ちのよい空振りサンシ〜ン!
4番和田選手
2球であっという間に追い込み、外にはずした後、内角いっぱいに糸を引くような素晴らしいストレート
見逃しサンシ〜ン!
と思ったけど、審判の手は上がらず〜(ベンちゃん手も足も出なかったのに!)
そりゃぁないわのレフト前に運ばれるも
続く、5番ブランコ選手
チェンジアップにまったくタイミングが合わず空振りサンシ〜ン!



あ〜ぁ、和田選手の4球目、ストライクだったらな・・
ドラゴンズが誇る、強力クリーンナップを三者連続三振、最高にカッコよかったのに。

最後は井端選手をセカンドゴロに打ち取り、見事なセーブ。

このゲームは、ナゴヤで予想通りとも言える2連敗を喫した後の第三戦
山口投手だけではなく、そこまで繋いできた投手達
そして、あきらめずに中日投手陣に立ち向かい
阿部選手の決勝HRを呼び込んだ野手達
守備でも、走塁でも
全員が「なんとしても勝ちたい、勝つんだ」という気迫を感じさせてくれた最高のゲーム
もしかして・・を感じさせてもらったゲーム
今でもみんなの頑張りが浮かんでくるような、心に残る試合でした。


来シーズン
山口鉄也投手は、ジャイアンツというチームの中でどのような立ち位置を与えられるのでしょうか?
原監督は多分、先発としてよりもリリーフ
それも「クローザー山口鉄也としての存在を意識しているように感じます。
もう一度先発としてのチャンスを与えるのか、それもまったくないとは言えないけど・・・。


もしも、抑えとして生きるなら
全盛期の岩瀬投手のように、右打者でも左打者でも関係ない
最高の左投手クローザーとして君臨してもらいたいです。
CSでのあのピッチング、
右打者の和田選手(結果はヒットだけど私の中では三振、)ブランコ選手への攻め
ぐっさんなら出来るはず!


投手陣の誰からも愛され、慕われているぐっさん
つらい練習にも弱音を吐かず、黙々とやり遂げるぐっさん
ほんのり赤らむほほが母性本能をくすぐるぐっさん



山口鉄也、27歳
野球人生はまだこれから
栄光あれと願っています。


現在ブログお休み中ですが、今回の記事は途中まで書いていたものです。
11月11日、山口投手27歳の誕生日のお祝いとして更新するつもりでした。
今日はもう日付変わって12日になってしまったけど
「お誕生日、おめでとう!」
の気持ちを込めて完成させUPしました。