レフト、由伸

宮崎は雨
今日行われる予定の紅白戦は中止となりました。

報道によれば
高橋由伸がスタメン・レフトで起用されることが決まっていたそうです。


由伸がレフトを守るのは2007年以来ということですが
この年は、あの華々しい“開幕戦・先頭打者初球本塁打”でスタートを切ったシーズンです。
多分、一度か二度ほんのわずかの守備機会だったのではないでしょうか。


その前年2006年
プロ入り以来最も成績の悪かった年に、守備位置もライトからレフトに回ることが多く
30試合ぐらいは守ったのではないかと思います。


この頃、度重なる故障の蓄積から、身体のあちこちに不安を抱えていたこともあり
守備力には贔屓目にみても、全盛期を知る者からすれば納得のいかないシーンが多々ありました。
そのようなことから、チームとしてもライトよりは負担の軽いレフトという判断もあったかもしれません。


しかし、大学時代からライト一筋で守ってきた由伸にとって
まるで正反対の打球方向になるレフトは、守りづらいポジションであったことは想像できるのです。
入団以来、外野手として何度もゴールデングラブ賞を獲得し名手と言われた由伸です。
レフトなら簡単だろうと思ったものですが、意外に苦労していたなぁというのがその時の印象です。
明らかなエラーというほどではなくても、失点に結びつくいわゆるまずい守備というのがあったように記憶しています。
とはいっても、もちろん下手な外野手という訳ではありませんよ。
左翼手としては平均点以上です。



あれから5年
チームでの立場や、周りの環境も変化しています。
去年はライトばかりではなく、ファースト守備にも挑戦し一塁手としての形は一応作れたかなという状況。


今シーズンは、小笠原選手の一塁固定が基本方針と言われていて
亀井選手もサードコンバート
由伸はライトに専念するのだろうと思っていました。
ところがここにきて、レフトも視野に入れてという話が出てきたようです。


正直、5年前はヨシノブファンとして「なんでヨシノブがレフトなの?」と思ったものでした。
しかし今回は、あくまで私の個人的な意見(当然ですが)を言うなら賛成です。

外野守備におけるレフトとライトの重要性を考えてみれば
誰もが理解できることですが、ライト守備の方がはるかに重要だし難しいし、能力も求められます。
右翼手としての大きな仕事の一つに「シングルヒットで1塁走者を3塁に行かせない」がありますが
ここは強肩であればあるほど見せ場を作れますね。
ライトの守備位置での動きだけではなく
内野ゴロが飛べば、即座にファースト方向へカバーの動きをとらなければならないのはもちろんのこと
走者が1塁上にいれば常に、けん制悪送球に備えてカバーの意識を持たねばなりません。
カバー力という観点からみれば、若い選手ほど動きが俊敏で優れています。
ベテラン選手であっても「意識の持ち方だ」とも言えますが、
由伸のこの動きにも年々物足らなさを感じています。


レフトの場合、サードへのカバーは一試合中それほど多く機会があるわけではなく
外野3人の中ではもっとも楽なポジションです。

ラミレス選手だって全試合万全でいられるとは限りません、欠場することもあるでしょう。
低反発統一球が導入される今シーズン、ラミレス選手の守備力は憂慮されるべきだと思いますし、
ゲームの終盤、あるいは中盤であってもベンチに下がることが考えられます。

その時に、由伸選手がライトにいるのかファーストなのか、それともベンチなのか分かりませんが
代わりの左翼手としてチームが安心して任せられるような存在であるならば
出場機会も増えるというものです。


4年契約最終年
進退を懸ける年になると言われています。
由伸本人には「右翼手」としての矜持があることでしょう。
しかし、この先の野球人生をさらに豊かなものにしていくことを考えれば
将来の守備位置が<レフト>であってもなんら不思議のないことです。



前回レフトを守っていた時には、ライトとは真逆の感覚に戸惑いを隠せませんでしたが
ここはしっかりとレフト守備を練習し自信を付け
少しでも多くの打席に立ち
チームの勝利に貢献できるよう頑張ってほしいです。


前ヤクルト監督・男前のV9戦士、高田繁さんも名左翼手としてその名を馳せました。
レフトからの由伸の華麗なバックホームも見られるかもしれません。
まずはライト守備を堅実に
そして、レフトと言われても戸惑いなくしっかりと準備し
2011年シーズン、常にその姿がグラウンド上にあることを願っています!