ラミレス選手の打順

アレックス・ラミレス選手
ジャイアンツの4番打者として不動の地位を築いています。

しかし、今シーズンも
その地位を簡単に、なんの競争もなく与えてよいのでしょうか?


低反発統一球が導入され
本当に打球の飛距離は落ちるのかと注目を集め始まったオープン戦


ここまでは明らかに、その影響は大であるという結果が出ています。


しかも影響を一番受けてしまいそうなのが、我がジャイアンツかもしれないのです。
ここまで、チームはまだ1本もホームランを打てていません。

統一球の影響を受けながらも、今日のファイターズは広い札幌ドームで一発を放っています。
数試合行われた中でも相手チームには本塁打があるのにGはゼロ。


オープン戦だし結果よりも内容。
バッティングはこれから上がっていくし変わりもする。

それは確かにそうなのですが
昨年まで
いわゆる“ドームラン”と呼ばれるような東京ドーム独特の本塁打
他球場でも、詰まった当たり・こすった当たりなど
バッターが打ち損じた打球でありながらギリギリでスタンドインする<ラッキーHR>
その恩恵を一番に受けていたのは
やはり我がジャイアンツの打者達だったのではないかと今更ながら感じています。


そして
その中でも、もっともその幸運を与えられていたのが
アレックス・ラミレス選手ではないでしょうか。


2001年、ヤクルトスワローズに入団し7年間
2008年からはジャイアンツの4番としてチームに貢献し
残した成績も見事の一言です。

打者3部門では10年間で7つのタイトルを獲得
故障のない強い肉体を持ち
通算1414試合に出場、日本人選手としての資格も得ています。
独特のパフォーマンスをはじめとするファンサービス精神も他の追随を許さぬものがあり
外国人選手でありながら日本人選手以上に日本野球界を愛し、
ファンからもまた愛されている素晴らしいプロ野球選手です。


しかし・・・
圧倒的な実力を発揮してきた打席内の姿に反し
その守備力の弱さに、味方投手は何度泣かされてきたことでしょうか?
記録される失策数以上に目立つミス
レギュラーの外野手としての年間刺殺数の少なさには
物足らないという言葉では語れないものがあります。


それでもここぞの場面で打って勝利を引き寄せてくれる選手だから
チームは必要としてきたし、頼りにもしてきました。
敗色濃厚のチームを何度も救ってくれて「ラミちゃん、有り難う!」と感謝してもきました。


今シーズン
これまでのようにラミレス選手が打てるという保証はありません。
前述したような<ギリギリスタンドイン>が減ることに加えて
パワーで内野手の頭を越えるような打球が、内野フライになってしまうことが増えそうな気がします。
相手捕手の配球を読み切って打つ選手ですから
ビシッとはまった時には活躍してくれることでしょう。
けれど守備面のマイナス要素を考えた時
『4番・レフト』を無条件で与える必要はないと思っています。


左の強打者がひしめくジャイアンツとしては、
なるべくその選手達の間には右打者を配置するべきだと考えれば
今シーズンのラミレス選手の打順は
『5番』でどうでしょうか。


あるいはもっと過激なことを言えば
状況を見てレフトに他の選手をスタメン起用してもよいのでは?
ジャイアンツには、他チームがうらやむほど実力のある優秀な外野手がたくさんいます。
原監督には固定観念にとらわれず柔軟な発想で選手起用をしてほしいものです。




坂本勇人選手を何番にするかは未だ試行錯誤
監督にも迷いがあるのでしょう。
小笠原選手を5番にして、勇人3番もここ何試合か試しています。
1番打者に適任者が現れれば
2番にしようとしているのも、まんざらありえない話ではなさそうです。
なぜ、2番にしようとしているか?
ヤンキースジーター選手をイメージしている
3番小笠原選手の前に右バッターを置いてジグザクにしたい
他にも監督には監督の《坂本勇人像》があるのかもしれません。


でもずっと感じていることですが、2番勇人は合っていないし
1番や3番でないなら、5番以降の打順の方が坂本勇人が生きると思っています。

そしてもしも、将来を見据えて思い切って3番勇人にするならば
4番は左打者を置くべきだと考えます。
他の打順はともかく
右打者の3番の後には、左の4番がいた方が
相手チームの投手交代に迷いを生じさせるし、先発投手の決め方もしかりです。


3番坂本勇人にした時の<4番>
現在のジャイアンツでその座に一番相応しいのは
阿部慎之助』選手であると確信しています。
誰もが認める強打者なのに、
「捕手だから負担を軽く」という理由で下位に置こうとしている首脳陣の考えに納得がいきません。


プロのバッター、しかもジャイアンツのキャプテン
4番だろうが6番だろうが打つ時には打つし、打てない時には打てません。

単純に考えても、7番打者よりも5番打者は打てると思われ起用されているのですから
4番にいる時の方が勝負してもらえるし
6番阿部だと、7番が非力であれば敬遠気味に歩かされることも増えるわけです。



もちろん捕手としてよりも他のポジションにコンバートされた方が、今よりももっと打てることでしょう。

しかし現状、その選択肢はありません。
マウンドに上がる投手達をリードし、味方を鼓舞し勝利に導くのが阿部慎之助の役割です。

「巨人の4番」という座を与えてやれば、充分に期待に応えてくれると思うのです。

3番坂本、4番阿部とした場合
もっとも1番打者としてチームに貢献してくれると思うのが小笠原道大選手です。


原監督は1番には足の速い盗塁できる打者をという考えを持ってるようです。
坂本勇人はその点で物足らないと語っています。
しかし、1・2番に足が速くて小技の効く打者を並べた打順では
ジャイアンツの場合、下位打線が分厚くなりすぎて重たい印象を受けます。
4番以降、走れない選手が並んでしまいます。

いくら足が速くても出塁しないことには何もできません。
小笠原選手ならヒットはもちろんのこと四球も選べるし、走塁センスも悪くありません。
下位打線が作ったチャンスに、実を付け花を咲かせることの出来る強打者です。
なによりプレーボールの瞬間から、
ジャイアンツでもっともヒットを打てる選手が出てくれば相手投手もこんなに嫌なことはないですね。
2007年の高橋由伸の1番ともまた一味違う
存在感のある1番打者になれるのではないかという気がするのです。


開幕まではもう少し時間の余裕があります。
原監督には柔軟な発想を持ち
さまざまな選択肢の中から、勝てるオーダーを組んでほしいと思っています。

3月25日、開幕戦の東京ドーム
ジャイアンツの最強メンバー達が
ワクワクするような並び方で、スコアボードに点灯されることを期待しています!