夢を叶えて

黒羽根利規(くろばね としき)選手


24歳、2005年の高校生ドラフトベイスターズに入団
昨シーズンは1軍戦45試合に出場
着実に力を付けています。


4月12日、神宮でのヤクルト戦
三浦大輔投手が1070日ぶりの完封ゲームを投げ抜いた日
マスクを被っていたのはキャッチャー黒羽根でした。


今から14年前、1998年
横浜市上大岡駅前で三浦投手のトークショーが行われ
当時上大岡小5年生だった地元港南区出身の黒羽根少年は
花束贈呈役に選ばれました。


奇しくもその時、三浦投手は現在の黒羽根捕手と同じ24歳。
11歳と24歳の出会いから一年後
再び同じ場所で花束を渡した少年は

将来「この人とバッテリーを組める選手になりたい」という夢を抱きました。


そして「横浜ベイスターズに入団したい」という夢は
2005年、18歳の春に実現しました。

しかし、厳しいプロの世界で
エースの球を受けられる捕手になるためには更に6年の歳月が必要だったのです。


迎えた2011年8月14日
地元・相模原球場での中日戦
初めて憧れのエースとバッテリーを組みスタメン出場を果たしました。


その試合、今でも二人が口を揃えて思い出す場面は
7回2死一、三塁で中日・平田選手を内角スライダーで空振り三振に斬ったシーン。


「初めて自分の投げたい球をピッタリと要求してくれた」
エースからそう言ってもらえた内角スライダーのサイン。

この日、制球に苦しんだマウンド上の18番を
「我慢強く投げて下さい」と励まし続けた黒羽根

応えた三浦も
ノーヒットノーランかと思われるほどの好投を見せ7回2/3を2安打無失点
通算140勝目を達成したゲームでした。


出会いから13年、この日こそ黒羽根少年の夢が叶った日に違いありません。


先週の神宮では完封劇を支えました。
8番・黒羽根が先制の2点タイムリー2塁打を打って援護すれば
続く9番・三浦もヒットを放ち、黒羽根を迎え入れます。

最大のピンチだった2回一死満塁で仕掛けられたスクイズ
ダッシュよく処理したエースからのグラブトスを受け取りタッチアウト!
見事な呼吸を見せました。


三浦大輔投手、38歳
FA移籍が噂されたこともありましたが横浜への強い愛着からチームに残留。
「生涯横浜」を貫いています。


中畑清監督は
開幕投手の高崎にも本拠地開幕戦で投げた国吉にも「エース」という呼称は使いません。

ベイスターズの『エース』は14年前も今現在も
三浦大輔その人だからです。


そのエースに憧れ続け
同じユニフォームを身に着け
同じグラウンドに立つ夢を叶えた黒羽根利規、24歳。


18.44メートルの距離の中
今、嬉しくて幸せな会話が出来ていますか?

黒羽根の夢がこれからも続いていくように
ハマのエースにも「まだまだやれるぞ!」の健在ぶりを見せてほしいですね。




ちょっとオマケ
「珍現象」
ゲーム差のマイナス表記
昨日パ・リーグで2位のロッテと3位の日本ハムのゲーム差が
「マイナス0・5」となる珍しい現象が起きました。

2位のロッテは12試合、7勝4敗1分けで勝率・636
3位の日本ハムは16試合、10勝6敗で・625
リーグ戦の順位は勝率で決まり、ゲーム差はあくまで目安であるため
開幕後間のないこの時期、試合消化が少ない上、引き分けもあるためにゲーム差が「マイナス表記」となる逆転現象が起こったのだそうです。

こういうのはあまり記憶にないですよねぇ〜
ちょっとビックリなお話でした。