本当は好き?

マリナーズイチロー選手
打っても、守っても、走っても超一流。


メジャーリーグでもあれほどの活躍が出来ている本当に素晴らしい選手です。


実は私
あまり好きじゃないんですよね。
嫌いではないのですが好きでもない、まぁ普通。


どこがどう?と聞かれると返事に困るけどまぁ好きじゃない。


でもすごくいいなぁと思う部分があります。


それは、「言葉の選び方のセンス」


例えば先週
地元アーリントンのレンジャーズBPで
ダルビッシュ投手がメジャー初登板、初勝利を挙げた日のこと。


出塁して一塁ベース上から降板するダルビッシュを見ていたイチローの目には
自らの中前打で降板させた右腕が
初登板を労う地元ファンのスタンドからの拍手と声援に
何も応えず淡々とベンチへ引き揚げる姿がありました。


「下がって行くときに帽子を取らなかった姿が凄く良かった。
“この内容では”というプライドが見えましたから。
あそこで帽子を取ったら“大したことねえな”と思ったかもしれないですが、ぐっと何か内に秘めているものがあったはず。
それがきょう一番印象に残りましたね。
球がどうこうよりも、実はそういったところに内面が見える」


もしも帽子を取って観客に手を振っていたら
「8安打を浴び5失点、6回途中で降板した投手なら、たとえ勝ったとしても喜ぶなよ!」
という強烈なメッセージを心の中で送ったのでしょうね。


帽子を取らなかったダルビッシュのあの時の気持ちに共感を覚えたんだと思います。
「大したことねえなと思ったかもしれない。」
こう言ったイチローが何故かとってもカッコよく見えました。



3月末のこと
自分を慕って招待選手から這い上がり
開幕メジャーの座を実力で手にした川粼宗則選手に贈った言葉
「ムネの人生で最大のチャレンジ。
あの立場から(開幕25人枠を)勝ち取るのが、いかに難しいか。
自分のことで誇らしく思うことなんてないが、他人のことではたまにある。
その一番上にくる出来事かも」


「自分のことで誇らしく思うことなんてない・・・」

あのイチローが?

でも謙遜じゃなくてイチローなら本当にこんなふうに考えているのかもしれない。
そう感じさせる何かがあるんですよねぇ。


自分のことで誇らしく思うことがなくても他人のことではたまにあって
しかも、その一番上にくる出来事だと言ってもらえた川粼選手、
涙が出るほど感激したかもしれませんね。



3月28日
今季開幕戦、アスレチックス―マリナーズが東京ドームで行われましたが
当然ながら
イチローにとってはメジャー12年目、初めて日本で迎えた開幕戦でした。


3打席連続安打、さらに延長11回にはとどめを刺すタイムリーも放ち
本人が「特別な日」と称した一戦を飾りました。

ゲームセットの瞬間、右翼席に向かって右手を大きく振ったのはどんな感情からでしょうか。



打席に立つ度に光る無数のフラッシュ、
この日の主役として一身に注目を集めたイチロー

塁に出れば
「走ろう、足も魅せたい!」
何とかいいところをみんなに見て欲しいという想いが全身に溢れていましたね。

ここでもあのイチローが?、と思いました。



私の中では、いつもどこか余裕を持ちながらプレーする選手
決して怪我はしない選手
そういうイメージがありました。
もちろん
何%かの余裕がありながらも最高のプレーが出来るからこそのイチローたる所以ですが。


開幕シリーズの2戦を通してその何%かの余裕がいつもよりは小さくて
一生懸命な姿に見えました。
そこにも「らしく」ない姿があるように感じ、不思議な感覚に襲われました。


開幕戦、5打数4安打1打点。

「一生で2試合、ここでやることはない。その瞬間を刻みたいという想い。
足を運んでくれた人もおそらくそういう気持ちだったと思うので、それを共有したかった」


そう表現したゲームセット瞬間の自分自身の仕草



ベンチへと駆け出しながら
右手で指差したライトスタンドには
間違いなくその想いを共有し
拍手と声援を送り返したファンの姿がありましたね。



テキサス州アーリントンで
スタンディングオベーションに応えなかったダルビッシュに共感を覚えたイチロー
その2週間前の東京ドームでは
見事期待に応えられた喜びを表現したイチローの姿がありました。


この日、最後にもらしたひと言は


「格好はついたかな」でした。


ほんの少しだけ表情を緩めながらのそのひと言が
とってもカッコよく聴こえてしまったのは
「好きじゃない」と言いながら
もしかすると
私がイチローのことを好きだから、なのかもしれません。



Hot news
38歳コローン「まさか」の38球連続ストライク
18日にアナハイムで行われたエンゼルスとのゲームで
アスレチックスの38歳のコローン投手が、年齢と同じ38球連続ストライクという珍しい記録を打ち立てました。

打ち取った球や安打もストライクとしてカウントした結果、
5回のイズタリスへの2球目から8回1死二塁でアブレイユに投じた2球目がボールになるまで。
なんと38球連続ストライク!

ビックリですよね〜
8回無失点で3勝目を挙げた本人も「まさか38球も続いたなんて思わなかった」と驚いていたそうです。

過去30球連続ストライクという記録があったらしいのですが
今回のコローン投手が新記録かどうかは定かではないそうです。
多分、そういうのはいちいちカウントしないですよね?
でも凄い記録だと思いました。
「コントロール抜群!」と、言ってもいいのですよね?!