原監督の「ブレ」

阪神3x−1巨人
9月29日 甲子園


坂本選手に何とかつないで欲しいと祈りましたが
願い叶わず、夢は消えました。

今シーズンの戦いぶりを顧みて
原監督は自戒を込めながら
「ある意味、オレ自身にも慢心があった、何人かの選手に対して自立していると甘やかし、選手達に楽をさせてしまったことが間違いだった。」
と語ったそうですね。
この言葉は自らを反省しつつも
期待通りに働いてくれなかった若手選手達に対しての不満であるように思えます。



実際、打順の中でもっとも期待し、頼みの綱としていた亀井義行選手の不振
投手陣では、故障明けから苦しんだ内海哲也投手
後半失速してしまった東野峻投手
将来のジャイアンツを背負う投手にと先発転向させた、山口鉄也投手(その後、チーム事情により中継ぎに戻したことにも大いなるブレを感じました。先発で初勝利をあげた直後の再転向でしたから・・。)
監督が思うように采配を振るうことが出来なかったのも紛れもない事実です。


しかしながら、プロ野球の監督というのは日本で12人しかいない
誰もが一度はやってみたいと憧れる、選ばれた最高指揮官なのです。

与えられた権力の大きさと同等の責任もまた背負わなければならないはずです。


シーズン中から
選手個人のミスや失敗をとがめる発言の多さ
「論ずるに値しない」という言葉は、たとえ監督としての叱咤激励であったとしても、選手を傷つける発言であり、このような発言には人間としての度量を感じません。


それに引きかえ、自らの采配ミスや選手起用の失敗については
ほとんど、耳にしたことがありません。
他球団の監督と比べてもそれは顕著です。


たとえ選手が失敗しても
それは、その試合にその選手を選び起用した監督に責任があるのであり
負ければその間違いを認めるしかないのです。
監督にはそれだけの権限が与えられています。




昨日のゲーム
負ければ本当に夢が消えてしまうという大一番
それを、相手投手が左というだけで
前日の試合でも勝利につながる活躍をし、守備でも再三チームを救っていた(これはあまり目立たなかったかもしれないけど、あそこで抜けていたらというようなシーンが何度もありました。)松本哲也選手をスタメンから外しました。

決して代わりに2番に入った矢野選手がダメだというわけではありません。
きちんとバントも決めていました。

でも、ゲーム前に監督がシュミレーションすべきこととして
外野陣の守備隊形はあれでよかったのかということです。
レフトラミレス、センター長野 ライト矢野
お世辞にも上手い外野手とは言えない3選手です。
重箱の隅をつつくようなことになってしまうかもしれませんが
3回裏のビデオ判定となり、結果3塁打と認定された坂選手の打球
ライト矢野選手がフェンス最上部に当たるような打球に対して深追いし、跳ね返りをうまく処理出来なかったことで
3塁打にしてしまったと思います。
たとえ2累打で止め、無死2.3塁であっても得点が入った可能性は大きいですが
無死満塁から無得点ということもよくあるのが野球です。


ゴンザレス投手にしても、1点入りなお走者3塁というよりも
HRが2塁打と翻り、無得点の状態であればもっと頑張れたかもしれない・・
あの回の失点が、もしも無失点、あるいは1点に留まっていたら
勝負の展開はまた違っていたかもしれないと感じるのです。

記録には表れなくても、外野手のワンプレー、ワンプレーは重要でありゲームを左右するものでもありますね。


現状のジャイアンツで、不動の4番ラミレス選手の守備力を補わなければならないセンターを守れるのは
松本選手か鈴木尚広選手以外にはいないはずです。
鈴木選手が終盤代走のスペシャリストであることを考えれば
スタメンセンター松本選手というのは、問答無用であるべきではなかったでしょうか?



結果云々ではなく、絶対に負けられない試合、広い甲子園でこの布陣はどうなの?ということです。



今シーズン、原監督は危機管理という名の下
各選手に複数ポジションを守れるようにと指示しています。
確かにチームには万能選手も必要だけど、そのことにこだわりすぎて
一つのポジションに対する専門性の薄れ、守備力の低下(失策数の多さ)など
打撃優先による弊害が、守り抜くという点でおろそかになったことは否めないのではないかと思います。

その選手がどんなに打つ選手であっても、たった一つの守備が(たとえエラーと記録されなくても!)ゲームを左右することが、野球というスポーツではよくあることなのです。



投手力を含めた守備力で勝ち抜いてきたのが中日ドラゴンズです。
あのような凄い投手陣がいるのだから誰が監督でも勝てる?
そうではないですよね。
しっかりとした野球観の下、監督として選手の起用、采配に全ての責任を持ち
ブレない采配を貫いている落合監督の手腕は見逃せません。



打者の起用ということで言えば、首脳陣は昨日の敗因として4回表、無死1塁、3塁からの無得点を挙げていますが
脇谷選手凡退のあとの代打は、大道選手でよかったのでしょうか?
瀬戸際の状況に追い詰められていて、投手起用にも非情を貫き采配してきたここ数試合です。
大道選手は過去何度もチームを救い貢献してきた選手です。
一軍に上がってきてからも、懸命な打席を見せてくれています。大好きな選手です。
でも、勝利にこだわるというなら
あそこは、谷選手で勝負して欲しかったです。
能見投手、城島捕手、阪神ベンチに対して、どちらの選手がプレッシャーをかけられるかを考えればそう思います。



もしも代打が谷選手であり、アウトにならず何らかの結果をもって坂本選手につなげていたら
坂本選手の打席もまた、違った結果であったかもしれないということを
諦めきれないファンとしては、想像してしまうのです。




谷選手の今シーズンの使われ方には本当に同情したくなります。
まだまだ、身体も元気で動けるし走れています、打撃技術も他の追随を許さぬものを感じます。
由伸選手にしても同様です。
代打向きではない選手であり、スタメン出場する中で調子を上げていく選手なのに前の試合で調子がよくても左投手先発の時にはあっさりスタメン落ち。

豊富で分厚い外野陣を生かすためのファースト転向ではなかったのではないでしょうか?
複数ポジションと言いながらも、ここにもブレを感じてしまうのです。
二人を左右の代打の切り札として起用したいとしても、昨日のような起用法では首を傾げざるを得ません。

スンヨプ選手にしても、あれではスンちゃんが可哀想・・・という扱われ方です。
一部選手に固執するあまり、力がありまだまだチームに貢献でき、守備もしっかりとしている選手達の起用法にも大いに疑問を感じた今シーズンでした。


もう、どんなに愚痴や不満を書き連ねても、4連覇への道が閉ざされてしまった事実は変えようがありません。
せめて、残りの試合ではしっかりとブレのない戦いを
チームとして見せてほしいものだと、今は願っています。


2010年の戦いが続く限り
ファンとして応援するのみです!



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