先頭にいるべきは「ボール」

少し前になりますが12月4日、
花園ラグビー場で行われた関西大学ラグビーAリーグ
優勝を懸けた最終節が行われました。
6戦全勝の天理大と、5勝1敗の関西学院大の激突です。



今回、少し思い立ち
中継の中で詳しくルール説明のある副音声放送を聴きながら、テレビ観戦することにしました。
主音声の解説は大体大の監督さんで日本代表としても活躍された坂田好弘さんだったので
ゲームを楽しむには通常放送かなと思いましたが、
ルール勉強中の私、ピッタリの内容だったので副音声を選択しました。


その結果は〜
最高でした!
今までこんな放送があるなんて知らなかったので新鮮だったし、別の意味で楽しめました。
ラグビーのルールを分かりたい、知りたいというファンには絶対おススメです。
解説はラグビー協会、レフリー委員長の太田始さんという方でしたが
とても分かりやすい説明で、私のような初心者でも理解できるように話されていました。


ゲーム開始
★キックオフは、10メートル以上蹴らなければならないということから始まり
一つ一つのプレーについて
★なぜ反則なのか、その後のプレーはどう始まるのか
★レフリーの発する言葉の意味
★選手交代はリザーブの選手を全員使ってもかまわないとか
ラインアウトは真っ直ぐ投げなければならない(曲げてもいいのかと思ってました)
★アドバンテージを取っていてプレー続行中、反則された側がミスをした時
そのミスの方を有効にする場合もあるということ(元の反則に戻さない)
ペナルティキックは蹴りだした方がマイボールになる(通常蹴り出した場合は逆)
ほんのちょっとしたことでも、見ている人がルールを知らないということを前提に
分かりやすく説明があり、実況アナとのコンビも聞きやすかったです。



スクラムを組む時にレフリーの号令のような掛け声がありますね。
あれが前から気になっていたのですが、チャーンと理解できましたよ〜

1.クラウチ(陸上のクラウチングスタートと意味は同じなんですね)
フロントローの選手は腰を落とした充分な姿勢を取りなさい
2.タッチ
1番と3番は外側の腕で相手の肩に軽く触れなさい
3.ポーズ
ここで充分な静止ができていることが重要です。
そして準備万端〜ととのいました!ところで
最後の
4.エンゲージという声でぶつかり合います。
約束という意味のあるエンゲージリングを思い浮かべますが、調べてみたら敵軍と交戦状態に入るという意味と機械の歯車を噛み合わせるという意味もありました。
確かに交戦状態に入るわけですからどちらもそれらしい気はしますが、フロントローの3人同士で組み合う形をみれば
機械の歯車を噛み合わせるという意味の方がピッタリくるようにも思えます。



この試合のレフリー(レフリーはマイクをつけているので言っている言葉がよく聞こえます)
とてもよく声を出していました。反則も厳しく取っていたのでは?
前回レフリーのことを調べた時
大きな声で何度も支持を与えたり、
ルール通りに厳しく反則を取るレフリーが必ずしも優秀なレフリーというわけではないということを知りましたが、
野球と比べてみても、ラグビーという競技は
審判と選手のコミュニケーションがとても大切なのだなということが分かります。


何度も言っていたのは、
ラックの最後尾の選手の足がオフサイドラインに引っかからないようにしなさいという注意と
スクラムの時に、下方向に組んではいけません(ひじが下がると押しやすくなるため)という注意。
ラグビーというスポーツは危険と隣り合わせで、本当に怪我の多い競技なので
選手の安全ということを常に優先したプレーが求められ、ルールもそれに沿って作られているそうです。



試合終了間際、ロスタイム2分の場面
プレーが続いている限りはそのプレーが終了するまでノーサイドにはならないのは知っていましたが
この試合の最後のプレーは4〜5分続いていたのではないかな、というくらい長かったです。
もちろん勝っているチームはボールを蹴り出したりするのでしょうけど
リードされている関学大が攻めていました。
結局、最後に天理大側にボールを奪われてしまい、天理がトライ!
タイムオーバーでも、その後のコンバージョンも蹴ることが許されるのですね。
いついかなる場合においても
トライとコンバージョンはセットになっているということを、改めて理解しました。
見事に決まって、50−14のスコアでノーサイド
天理のユニフォームといえば
甲子園での「紫」のイメージがあるのですが
オールブラックスばりに全身黒のジャージに身を包んだ天理大は本当に強く見えたし
関学大を圧倒したゲームでした。


天理大のキャプテンは、フッカーの立川直道選手ですが
チームには、スタンドオフに弟の理道(はるみち、3年)選手もいて
兄弟でチームを引っ張っています。
この日もFWの兄に負けず、弟もSOとして好判断からトライに繋げるプレーを見せていました。
弟は昨年のU-20の代表(その後、大きな怪我があり悔しい時期も・・)
2019年に向けては、この世代が中心となっていくわけですから
高校生、大学生の大会というのは今から注目しておくと、
W杯の楽しみも増えるかも、と欲張って考えたりしています。
ちなみに二人のお兄さんは、現在レフリーとして活躍中。
きっと、名前は「〜道」さんなんでしょうね♪



こんなに強かった天理大ですが、やはり関東の各大学と比べるとやや力が落ちるという評価です。
19日からの大学選手権では、もしも初戦の大東文化大に勝利すれば
順当なら二回戦は東海大
強敵東海大を倒し、さらに勝ち進んでいけば
準決勝で慶應大と当たる可能性のあるグループに入っています。
大学ラグビー界は東高西低、
まず勝てないだろうという下馬評を翻し、勝ち進んでいく可能性だってゼロではないですよね。
いろんなゲームを見る度に、
そのチームを応援したくなってしまう<にわかラグビーファン>の私!
大会が始まるのが本当に待ち遠しいです〜



ラグビーの基本
常にボールを持った選手が先頭にいなければならない
厳しいオフサイドのルールもその精神からー
今回はこの言葉が、強く心に残りました。